NEWS お知らせ

最近気になる「ファイトケミカル」ってなに？

TOPICS2021.10.13

植物だけが持つ力「ファイトケミカル」

ファイトケミカル(フィトケミカル)という言葉を目にしたことはありますか？

五大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)や、第六の栄養素(食物繊維)に次いで、第七の栄養素と呼ばれるファイトケミカル。近年研究が進み、明らかにされてきたその数はなんと1万種類以上に及びます。

ファイトケミカルとは植物が紫外線や昆虫など、植物にとって有害なものから体を守るために作りだされた色素・香り・渋み・苦味・辛味・ネバネバ・アクなどの機能性成分のことを指します。

※言葉の意味は「phyto(ギリシャ語)/植物」「chemical/化学物質」

植物は地面に根を張って生きるため、外敵に襲われても逃げることはできません。そのためファイトケミカルを作り出して自分の身を守っています。その力は人体にも有効で、医学的にも注目されています。

ファイトケミカルは大きく6つに分けられます

今回は約1万種類と言われるファイトケミカルの中から6つの分類の代表的なものを表にまとめてみました。ファイトケミカルは、その性質などから❶「ポリフェノール」❷「イオウ化合物」❸「カロテノイド」❹「糖関連物質」❺「アミノ酸関連物質」❻「香気成分」の大きく6つに分けられます。

ほとんどのファイトケミカルには抗酸化作用があり、体内の過剰な活性酸素を無害化し、免疫力向上・がんなど生活習慣病の予防や肥満予防・老化防止などに役立つことがわかっています。(表には抗酸化作用以外の働きをまとめています)

成分		食材	働き
❶ポリフェノール	アントシアニン	ブルーベリー	眼精疲労の回復動脈硬化の抑制
	カテキン	緑茶、紅茶	殺菌作用血糖値の抑制
	イソフラボン	大豆製品	女性ホルモン調整冷え性改善
	クロロゲン酸	コーヒー	脂肪の蓄積を抑える脂肪燃焼を促進
	ケルセチン	玉ねぎ	血流を改善動脈硬化の抑制
❷イオウ化合物	アリシン	にんにく	強力な抗菌・殺菌作用血糖値の上昇を抑える
❷イオウ化合物	イソチオシアネート	キャベツ、だいこん、わさび	新陳代謝の促進抗がん作用強力な抗菌・殺菌作用
❸カロテノイド	βカロテン	にんじん、かぼちゃ	抗がん作用消化吸収の促進
	リコピン	トマト、すいか	血流改善生活習慣病予防
	ルテイン	ほうれん草	眼精疲労軽減加齢黄斑変性・白内障を予防
❹糖関連物質	βグルカン	きのこ類	抗がん作用免疫力向上
	フコイダン	海藻	抗がん作用免疫力向上
	ペクチン	りんご	コレステロール値を下げる整腸作用
❺アミノ酸関連物質	タウリン	いか、たこ	コレステロールや中性脂肪を減らす肝臓の解毒能力を強化血圧を正しく保つ
❺アミノ酸関連物質	グルタチオン	アスパラガス	シミや肝斑の改善・美白抗アレルギー作用
❻香気成分	リモネン	柑橘類	消化吸収の促進新陳代謝の促進
	オイゲノール	バナナ	眼精疲労回復動脈硬化の抑制
	ジテルペン	ローズマリー、セージ	抗がん作用消化吸収の促進

動けない植物の精一杯の防衛手段がファイトケミカルであり、それは皮と皮周辺に含まれ、苦味、渋み、えぐ味などの主成分となっているものがたくさんあります。

ファイトケミカルの力を最大限に活用するコツは、野菜や果物を皮ごと、あくの処理などをせずにいただくことです。

髙橋弘先生が開発した「ハーバード大学式の命の野菜スープ」では塩などの調味料は使わず、剥いた皮や種、ヘタなどを出汁袋に入れて一緒に煮ています。かぼちゃ・にんじん・たまねぎ・キャベツを１：１：１：１して煮込んだスープで、蒸気と一緒に逃げやすいファイトケミカルを蓋をして煮込むことで閉じ込めるのがポイントです。

調味料を使わないなどは、ご家庭のお料理に取り入れるのは難しいかもしれませんが、スープを作るときに「蒸気を逃がさない」「出汁袋に入れて食べない部位からも出汁を摂る」というのは今日からでも簡単に取り入れられます。ファイトケミカルを効率的に摂取する方法としてぜひお試しください。